2016年4月10日(日)14:00 KICK OFF
女川町総合運動公園
VS. 猿田興業(秋田)

地域密着型サッカーチーム、という表現が一番ふさわしいチームかもしれない。
現在、東北社会人サッカーリーグの一部リーグ所属のコバルトーレ女川のチームと選手たちは、サッカーだけをやっていればいい、と割り切るような団体ではない。
地域の活性化こそが、チームの存在意義なのだ。

今年2016 シーズンは選手会が発足。これまでよりさらに積極的に町と関わり、チームとして発信していこうという意志の現れだ。
チームの役割として「地域貢献」を2006年の創設当時から掲げているコバルトーレ女川。
阿部裕二監督そしてフロントの隅田翔さん、選手たちの言葉からも、その決意と覚悟が伝わってくる。

感謝の気持ちは、サッカーで返す。コバルトーレ女川の名を全国へ。

生まれて初めて、サッカーグラウンドに足を踏み入れた。わぁきれい、と思わず声が漏れたほど、眩しく映る。綺麗に整ったグリーンのグラウンドが、目の前に広がる。以前は土だったものを、人工芝に張り替えた。「選手たちのモチベーションが全然違うと思います。東北の中でも、恵まれた環境でプレーができるチームだと思います」と阿部監督。ただ、町がグラウンドを所有しているため、毎日練習に使えるわけではない。石巻にもグラウンドを所有し、女川と行ったり来たりしている。

コバルトーレの選手たちの練習は、毎晩夜7時頃から始まる。日中は女川や石巻の会社にそれぞれ勤務し、夜から練習する。その繰り返しを、日々ストイックに続けている。町のみなさんに応援してもらっているから、恩返ししないといけない、今年は結果を出していく年にしなければ。阿部監督は、何度もこの言葉を繰り返す。勝って、もっと強いチームになって、コバルトーレ女川の名前を全国に轟かせたい。創設10周年、正念場だ。

「魅せるサッカー」こそ、コバルトーレ流。

2014年、2015年と全国大会にも出場。JFL昇格まであと一歩、というところまで来ている。開幕戦に向け、絶賛調整中だ。開幕戦は4月10日(日)。1000人を集めよう!と発足したばかりの選手会が呼びかけたところ、町の人が手作りのチラシを作ってくれた。みんなが応援してくれているから結果を出さないと、と表情を引き締めた。

「ウチには、魅せられる選手がたくさんいます。全国レベルで活躍できる能力のある選手がいる。そこは、自信あります」と阿部監督は語る。細かくパスを繋いでゴールに向かっていくサッカーは、東北リーグのチームの中では、ユニークなスタイルだと言う。選手たちも、見ている観客も楽しめる。それを意識したサッカーこそ、コバルトーレのサッカーだ。

今シーズンの注目の選手について阿部監督に聞いた。ずっとふざけていて、明るく笑顔の絶えない6番を背負う黒田選手と、エースナンバー10番を背負う池田選手は、チームのムードメーカー。その背番号を与えられたのは、ユニホームのサイズがMサイズだったから、というまさかの理由。今までとは違う、新しい10番のスタイル。「ゆうじ、あと何分?」とか、ってタメ口で聞いてくるんですよ〜と阿部監督は笑う。自由な雰囲気の中、のびのびとプレーしているやんちゃな選手たち。ただ、オンオフの切り替えはカッチリと。いざ試合となると、グラウンドでの表情と動きは豹変するという。そこには、阿部監督が目指す「子供たちが憧れて、お客さんがまた見たいと思うサッカー」の姿がある。

女川と共に、進化する。

選手たち同士、とても仲が良いコバルトーレ。それがプレーにもチームの雰囲気にも表れている。震災前には選手寮があったが、現在は一軒家4棟に分かれて生活している。隣同士に建っているので、実質選手寮だ。地元の会社がスポンサー料に加え、選手の雇用の場をも提供。蒲鉾やレンタカー、警備やリフォームの会社等で、選手たちは働いている。

3月26日(土)に開催された女川町復幸祭2016にも、選手たち全員が参加した。子ども向けのサッカー教室を開催したり、出店者のお手伝いをしたり、町の人たちと一つになって活動している姿は、いつでも一生懸命。キラキラした表情でイキイキと、テキパキ動いていた。子どもたちと楽しそうにサッカーをしている姿も、そして最後の片付けとゴミの収集の時にも疲れた様子を見せること無く、率先して動いている姿が印象的だった。

10周年を記念して、色々な仕掛けをしていくそうだ。ホームゲームのハーフタイムショーでは、石巻の高校生たちのチアガールチームがパフォーマンスをする。そして4月10日(日)の開幕戦では、飲食や物販の出店も。これも、楽しみだ。軽くつまみながら喉を潤し、コバルトーレブルーのグッズで応援しよう。

ソシオの拠点、サポーターズパーク。三位一体でチームを盛り上げる。

コバルトーレ女川事務所も兼ねたコバルトーレ女川サポーターズパークは、駅前のシーパルピア女川にある。ソシオ、と呼ばれるコバルトーレ女川のサポーターが集う場所でもあり、コバルトーレのグッズなどを扱うスポーツショップになっている。ジュニアチームのコーチも兼任するフロントの隅田翔さんに、サポーターズパークの魅力を教えていただいた。

ファン初心者でも興味がある人も、ここへ来ればコバルトーレ女川のことがすべて分かる。コバルトーレを応援するために必要なグッズが、勢揃い。ステッカー、タオル、メガホンやフラッグからTシャツ、レプリカユニフォームなどのウェアまで、ファンなら全部欲しくなるラインナップだ。「2016 シーズンのオススメは、選手が着ているユニフォームと同じデザインのTシャツです。メッシュ素材になっていて涼しいですよ」と隅田さん。なによりもレプリカユニフォームと比べ、手が届く価格になっているのもうれしい。カジュアルなTシャツやエンブレムの刺繍が入ったポロシャツは、普段使いにもピッタリだ。Colbaltore Onagawaと大きく入ったデザインは、もちろん女川土産としても喜ばれるはず。

サポーターズパークでは、過去のゲームの模様も観ることができる。シーズンが始まれば、サポーターたちが集う機会も増えそうだ。現在コバルトーレ女川では、ソシオ会員を募集中。会員になると、会員証と応援グッズが届く。応援グッズは、コバルトーレブルーのタオルと今年から導入されたスティックバルーン。タオルをぶんぶん回して、スティックバルーンをバンバン叩いて応援だ。

ソシオの会員証の裏には、【SOCIO Cobaltore 3つの喜び】とある。
愛するチームが強くなることへの喜び
愛する地域がにぎわうことへの喜び
愛するクラブを支えることへの喜び

町とチームとソシオと。三位一体で、コバルトーレ女川を盛り上げていく。
コバルトーレブルーに身を包み、イレブンを応援するチームの一員として、いざ参戦!

GO! 2016 シーズン

コバルトーレ女川の選手を代表して、成田選手と中津川選手にお話を聞いた。

13番 FW成田星矢 選手
キャプテン

とにかく自分ができることを、しっかりやるだけ。一試合ずつ確実に勝利をし、JFLに昇格し、さらなる上を目指したい。まずは確実に開幕戦に勝つ。ぜひ開幕戦に応援に来てください。

25番 DF 中津川翔太 選手

努力を怠らず、今年JFL昇格を目指します。なるべく多くの女川町のみなさんに応援に来てもらえるよう、一試合一試合勝ちたい。開幕戦とシーズン中の応援よろしくお願いします。

しっかりとした目線で、サッカーに対する熱い想いを語った二人の選手たち。やることをやるだけだ、という気持ちがぐいぐい伝わってくる。まずはJFL昇格、そしてJリーグ昇格を目指して突き進む覚悟。女川のために、という想いも強い。浮かれた様子は一切感じられず、話を聞いているこちらが少し緊張してしまった。夜間練習を見学したときの二人の動きは、光っていた。そして、サッカー教室の子どもたちを相手にボールを蹴っている姿は、純粋にサッカーを愛してやまないサッカー少年そのものだ。

2016シーズン開幕戦!1000人で応援しよう!!
4月10日(日)14:00 KICK OFF
女川町総合運動公園
VS. 猿田興業(秋田)

クラブ創設10周年記念
東北リーグ開幕戦 前座試合
コバルトーレ女川-OB戦開催!
4月10日(日)11:30 KICK OFF
女川町総合運動公園

〜あの選手たちが!女川のグラウンドへ帰ってくる〜
創設10周年と東北リーグ開幕戦を記念してOB戦を開催。

コバルトーレグッズの物販や飲食の出店も。
お楽しみに!

サポーターコメント
【鈴木康仁さん】

「今シーズンは全勝で、上のステージに行こう!全国がコバルトーレ女川を知る日は近い!!応援してます!!!」
【工藤貴之さん】
「目標であるJFL昇格に向けて、頑張れ!碧き戦士達!」
【高橋正樹さん】
「女川の名を全国に知らしめたい
彼らは震災前からその想いを持っていた
全国のステージまであとひとつ
蒼い背中に応援の声が響く
声は女川の浜風となり
突風のような追い風が彼らの背中を押す
HOMEもAWAYも関係ない
浜風あるところ全てがホームグラウンド
スタンドを蒼で染め上げろ
錨をあげろ 帆を立てろ
太鼓を叩け 声を張れ
鼓動 躍動 感動
2016 さあ始動 俺たちの船出だ
力の限り漕ぎ出そう
全国のステージまであとひとつ」